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中高生博物館学芸員(SMC)による「私の推シ!!」キャプションの紹介

2023.07.14 お知らせ

現在開催されている企画展「美しき岐阜提灯の世界」の出品作品について、中高生博物館学芸員(SMC)が、お気に入りの作品を紹介する「私の推シ!!」キャプションを作成しました。中高生が「推シ!!」の出品作品を観に、ぜひお越しください。

101御神灯軒提灯 「御神灯」と書かれた提灯。これは、江戸、現在の東京で作られたものです。岐阜提灯や他の県の提灯と比べると、文字の模様が重なっているなど、少し雑多に見えるように描かれています。これは、あえてこのように描いているのです。当時、江戸ではこういったものが粋だとされていました。このように、地域ごとに異なる文化というものに注目して提灯を観察するのも、面白いですよ。本荘中学校3年西脇武尊

イサム・ノグチ イサム・ノグチはアメリカ出身のインテリアデザイナー、作庭家、造園家、彫刻家、舞台芸術家で岐阜提灯をモチーフにした「Akari」シリーズのデザインをしました。その後も大阪万博や最高裁の噴水を設計するなど日本と関わりを持ち続けました。私はこの「Akari」の形、和紙の質感、光の温もりに惹かれました。

92盛り上げ「乱菊五重十四ビラ」工程見本 木地の装飾として施される盛り上げは白い胡粉を盛り上げ、菊などを描くものです。描き重ねるごとに繊細になっていくので、描く筆も細いものに変えられます。この作品のように花びらが屈曲して描かれているものを乱れ菊と呼びます。何重にも描き重ね立体感を出す盛り上げは多いもので5重のものもあり、この工程には手間ひまがかけられています。題名から花びらは何枚か、何重に描き重ねてあるか分かります。岐北中学校3年澤田麗加

112あかり 30XN イサム・ノグチ氏がデザインした美濃和紙を使った照明器具は世界中に広がっています。美濃和紙のきめ細やかな素材感や手作りの温かさが強調されて作られています。竹ひごが一定の間隔で巻かれていますが、イサム・ノグチ氏は竹ひごの間隔や太さを変化させて現代風のデザインになっています。岐北中学校3年澤田麗加

96長灯籠 業平東下りの図 この大筒の灯籠は秋田県横手市で作られ、題名は「業平東下りの図」です。この作品の1番の特徴は赤白青をメインとして岐阜の灯籠より大きく派手に見える見た目です。この作品にある東下りの最中に業平は自分の妻を愛おしく思う和歌を詠っています。僕にとってこの作品は自分の大事な人を思い出させてくれる作品です。 岐阜北高校3年増田昇

137変形提灯 南天灯籠 提灯と聞くと、僕は屋台にある丸っぽい形で赤色のものを想像しますが、灯籠のような形をしたこの作品も提灯です。変形提灯は、形の違いやすだれ、光が加わる事により、上部と下部でちょっとしたデザインの違いを楽しむことができます。この作品は、透き通るような青色がとても綺麗です。皆さんも魅力を感じながらみて下さい。岩野田中学校3年澤田侑和

8圭龍山水図 この作品、何と言っても特徴的なのは絵の対比。二重張りによって、遠くにあるようにぼやけた山や木などの背景を表現し、手前には左側に落ち着いた侘び寂びの感じられる松や川、そして右側に大きく色鮮やかに咲く花々が描かれています。絵師の手によって繊細に表現された、これらの三つの対比が美しい作品です。岐阜北高校3年辻颯太

2御所形 紋天 この提灯はぜひ手板と呼ばれる一番上の部分に注目してください。花の模様が浮き上がっていることが分かります。これは盛り上げと呼ばれる技術で、白い顔料を重ねていくことでこのような立体的な模様を生む出すことができます。和紙の絵柄だけでなくこのような部品一つ一つにも、職人の「技」が詰まっています。精華中学校2年中村俊太郎

7大内行灯 中輪菊に桔梗図 この提灯は巻かれている竹ひごに注目してください。所々白い糸で繋ぎ合わされていることが分かります。これは竹ひごを巻くとき、途中で途切れてしまったところを糸でつないだあとになります。現在では竹ひごの代わりにワイヤーが使われることも多く、竹ひごで巻かれた岐阜提灯は高級品となっています。精華中学校2年中村俊太郎

8圭龍山水図 この提灯は張られている提灯紙に注目してみてください。ほかの提灯紙とは違い提灯が二重に張られていることが分かります。さらに奥の提灯紙の風景に注目すると、まるで水墨画のように黒く塗られていることが分かります。風景の色の使い方や、描き方を工夫することで、ふんわりとした幻想的な風景を作り出しています。精華中学校2年中村俊太郎

9変形提灯 紅梅塔 こちらの提灯はなんといっても、その形に注目してみてください。これは変形提灯といって提灯の骨組みを作るときに型の形を工夫することで、このような一般的な提灯とはかけ離れた形の提灯をつくることができます。形を工夫することで風景だけでなく、建物の形なども表せるとてもユニークな提灯です。精華中学校2年中村俊太郎

70尺四寸御所形提灯張型 こちらは、提灯の骨組みを作るヒゴ巻きという作業で、提灯のたまご形の原型をつくる、張型という道具になります。この張形の側面の黒い部分に注目すると、無数の溝があることが分かります。これは目と呼ばれ、ヒゴを巻くときここを引っ掛けながら巻いていきます。この目の数が多いほど複雑な提灯に仕上がります。精華中学校2年中村俊太郎

71巻き台 こちらは巻き台といって、張型を組んだものをセットすることで回転させながらヒゴを巻いていくことができる道具です。実際に巻いてある竹ヒゴに注目してください。所々白い糸が巻かれていることが分かります。これは竹ヒゴが巻いている途中で途切れてしまった時に、つなぎ合わせた跡で、よく見るとかなりの箇所に見られます。精華中学校2年中村俊太郎

72ヒゴ巻き台 こちらはヒゴを巻くときに、スムーズに取り出せるようにしたヒゴ巻き台です。セットされているヒゴに注目してみると白っぽいことが分かります。これは紙巻鉄線と呼ばれる紙を巻いたワイヤーです。原料が減少する竹ヒゴに代わり現在主流になっていますが、伝統的工芸品として販売される製品にはいまでも竹ヒゴが使われています。精華中学校2年中村俊太郎

92盛り上げ「乱菊五重十四ビラ」工程見本 こちらは盛り上げと呼ばれる、白い顔料を重ねて立体的な模様を作り出す技術の見本となります。技術の大変なところはなんと言っても時間です。最初に描いたものが乾かないと、次に重ねて描くことができないため、重ねる回数が多くなるほど完成までに長い時間を要します。たった一つの模様に莫大な時間が詰まっています。精華中学校2年中村俊太郎

118盆提灯 二重鳥籠 私は、この作品を見た時、「可愛いな。色も綺麗で、今にも鳥が飛び立ちそうだな。」と思いました。八女提灯は、福岡県八女市で作られることからこの名前がつきました。光を灯すことで和紙の温かさを感じられます。皆さんもじっくりとみてください。岩野田中学校1年澤田采実

141伝 明治天皇下賜岐阜提灯 明治天皇が贈り物をしたと伝えられている岐阜提灯。極薄の提灯紙に月、川の流れ、秋草(萩)が描かれており、秋の夜の風景を描いたということが見て取れます。骨は竹ヒゴ巻きで100回以上巻かれています。さらに白木に盛り上げも加わり、高い技術が使われている美しい岐阜提灯です。岐北中学校1年澤田芽依